傷む彼女と、痛まない僕。




 ------------翌日。

 生徒玄関で靴を履き変え、教室に向かおうと廊下を歩いていると、

 「大崎、男バスのマネージャーに振られたらしいよ。 ワタシ、昨日大崎が泣いてるの見たー」

 「まじで。 媚び媚びぶりっ子、通用しなかったんだー。 ウケる。 ざまぁ」

 「まさか振られると思ってなかったんじゃん?? アイツ、男バスでチヤホヤされて、自分の事カワイイって勘違いしてるんじゃん?? そりゃ、されるっつーの。 男子しかいないトコに女1人入ったら。 ブスでもモテるっつーの。 つーか、チヤホヤされたくて入ったんだろ的な」

 前を歩く女子のグループが、明らかに大ちゃんの悪口を言いながら嘲っていた。