大ちゃんの事は、同じバスケ部員として、1学年下の後輩として、好き。
僕の病気の事を知っていながら告白してくれた事を、素直に有難いと思うし、嬉しい。
しかし、こんなに可愛い女の子が自分を『好き』だと言ってくれているのに、その気になれない程に、僕の『恋愛しない』という決意は固かった。
固すぎたが為に、鈍感になってしまっていた。
大ちゃんの気持ちに勘付けていたなら、『僕は恋愛しないんだよ』と、それとなく大ちゃんに伝える事が出来ただろうに。 こんな僕なんかに告白するなんて、勇気の無駄遣いをさせずに済んだだろうに。
普通の男子だったら、こんなに可愛い後輩に告られたら、好きじゃなくてもとりあえず付き合ったりするのかもしれない。
でも僕には、そんな事出来ない。
そこらのチャラ男みたいに、遊びで付き合おうにも、上手な遊び相手にすらなれないだろうから。
それに、見るからに真剣に想いを伝えてくれた大ちゃんに、そんな事はしたくない。
ちゃんと、篤厚でいたい。



