傷む彼女と、痛まない僕。




 ----------体育倉庫へ来たはいいが・・・。

 「・・・・・・」

 大ちゃんはただただモジモジし続け、なかなか喋り出そうとしなかった。

 他の人には言い辛い話の様だし、『話って何??』と急かして良いものか分からず、とりあえず、その辺にあったバレーボールやらハンドボールやらを無意味に触っては、無駄に5cmくらい浮かせてみたり、それをキャッチしてみたりを繰り返していると、

 「・・・・・・ワタシ、北川センパイが好きです。 ワタシ、北川センパイの彼女になりたいです」

 突然大ちゃんが、覚悟を決めたかの様に告ってきた。

 全く予期していなかった大ちゃんの言動に、自分で軽く上に投げたボールをキャッチし損ね床に転がすという、マンガの様な事を実際にやってしまった自分にも、ダブルでビックリした。