貴方に会えたから。




最近の翔は薬の副作用で高熱、嘔吐を繰り返すようになっていた。



なにも…なにも吐くものがなくなっても、なおもおそってくる吐き気。



それはとても見ていられない姿で、見ているこっちまで辛かった。



本当に胸が苦しかった。



ご飯が運ばれてきても静かに首を振り、
小さな声で「いらない…」そうつぶやく。



私が食べさせようとしても、めったに口にいれない。



たまに食べたかと思えば、直ぐにもどしてしまう。



きっと、本人も自分の口で食べたかったんだと思う。



ただ、食べたところで直ぐにもどしてしまう。



それが辛かったんだと思う。



だから食べなかったというよりは、
食べたくても食べれなかった、
というほうが正しいかもしれない。





私は甘くみていたのかもしれない。



病気になってしまった人を支えるということを。