貴方に会えたから。




「奈々…
俺と付き合ってるせいで嫌がらせにあってるんだって?」



奈々は小刻みに首を振りながら、



「…ち、ちがう!
そんなことない!
わたし、嫌がらせなんてされてない!」



「奈々、いいか。
よく聞いてほしい…
俺は…俺はもう奈々と別れるなんて、そんなこと絶対言わない!
だから、正直に話してほしい…」



奈々はみるみるうちに涙目になった



「翔とね…付き合いはじめてすぐくらいから嫌がらせはあったの…
でもね…翔や梓には言えなかった。
翔に本当のことを話したら…別れようって言われそうで怖かったから…
だから言えなかった…
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」




「本当は辛くてしかたがなかっただろうに…
ごめんな……
ひとりで抱えたこんだばっかりに体調まで崩させてしまって…
俺は奈々から絶対離れたりしない!
だから、これからはちゃんといってほしい…

今も嫌がらせは…あるのか?…」