嫌なアイツ






母に向かってキレ気味に言うと…



「今さっきも言ったでしょ?大切なお客様だと…。大切なお客様を出迎えるのに正装で無いとどうするの?」

と言った母に…




確かに一理ある…




でも母だけ着物を着ればいいじゃない!

と私が言うと…



「愛莉?貴女はお父さんの代理よね?」



う"ぅ"~

母よ…

痛い所を突いて来たな…



私は大きく溜め息を吐き…

母に着物に着替えて来るから…
といい部屋を出て行った。




自分の部屋に戻って来たのは良いけど…



【大切なお客様】

と言うのが一体、誰なのか?

私はまだ訊いて無かったと言うか聞かされて無かった。




箪笥から渋々、着物を出し足袋を履き肌着を着て長襦袢を着て着物を羽織った…

はぁ~

着物を着るのは嫌なんだよな…

面倒だし邪魔くさいから…



一人で着物は着れるけで…


あぁ~
ヤダ!ヤダ…



帯を締め…


紐を結び…



はぁ~
完成した。


髪を一つに纏めセットし…



くっ!
くっ…
苦しい…


かたっ苦しいから着物は嫌いなんだ…