嫌なアイツ






海沿いのカフェテラスに残された私とアイツ…



…………………。


もう空は暗く成って星が見えてた。



テーブルに蝋燭の火だけが灯り…


幻想的な世界…


二人っきりにされて何を話せばいいか?
解らない私に…



『室内プールに愛莉さんも行くんですよね?』


と訊いて来たアイツに…



まかさ…
饗庭さんまで一緒に行くとは思わなかった…

と話す私に…



『僕と翼も一緒に行くんですよ。』



《えぇ~!!》


思わず大きな声と共に立った瞬間、椅子を倒してしまった私に…



『そんなに驚く事は無いでしょう?僕も行くので翼の分も頼まれたから海パンを買いに今日はここへ来たんですから…』



…………………。


もう…

言葉が出ません…



海莉は何て事をしてくれたんだ!!


ただ…


その言葉だけが頭の中をリピートしてた





海莉の海莉のオオバカヤロ~!!







私の叫びは虚しく…

終わった…






片付けが終わったと饗庭さんと海莉が戻ってきた。


私の低いテンションを見た海莉に早く行くよ!と手を引かれた。