由良さんが翔に…
「翔。今日10時からだから絶対に遅れるんじゃないゾ!お前遅刻して来たら洒落んなんないんだからな!!」
由良さんはそう言い帰るから!と言って海莉の待つ私の家へ帰って行ってしまった。
二人と二匹でこの丘に残されてしまった私と翔とカイザーにジュリア。
翔は私の手を握り椅子の方へ歩いて行き私もそれに従う様に黙って歩いた。
カイザーとジュリアは私の両サイドについて私を守る様な形で歩いた。
椅子に座ると…
『愛莉さ…。ずっとここに座って何をお願いしてたの?』
翔の言葉に私は翔の方を向いた。
『店が終わった後にここに来て警察の人に早く帰る様に言われてたのにいつまでも空を見上げて何を観てたの?何をお願いしてたの?』
翔の質問は今日一日の出来事だった。
驚いた私は何で知ってるのか?逆に質問して翔に聞いた。
『こっちに帰って来てからずっと愛莉だけを観てたんだよ。愛莉に見付からない様に…。由良に協力して貰ってお前の様子を聞いたりしてたんだよ。』
翔の答えに私はやっぱり由良さんは翔の居場所を知ってた事を確信し何故?黙ってたのか?また聞いた。


