【パチーン!】
静かな場所に大きな何か?を叩いた音だけが廻りに響いた。
「あっ!あいっ!愛莉ちゃん?」
驚いて言う由良さんに目に涙をいっぱい溜めた私は翔に向かって…
バカ!!
大声で私がそう言うと…
ほっぺを叩かれた翔は目を真ん丸にして叩かれた左頬を手で押さえたまま呆然と立ちすくんでた。
「愛莉ちゃん。ごめん。愛莉ちゃんが怒るのも無理は無いよね。」
オロオロしながらフォローする由良さんに私は笑えた。
『殴られても仕方がないよな…。俺が愛莉を一番心配させて一番苦しめたんだから…。』
黙ってた翔が私に向かって言った。
「愛莉ちゃん?翔の事を許してやって!翔は翔で色んな事を悩んで出した結果なんだよ…。」
由良さんは必死に私に言って来た。
許すもなにも…
私の答えなんて簡単に出た。
私は翔が私の前から消えるのが嫌だったから…
何も告げられずに私の目の前から姿を消されるのが嫌だっただけ…
ただそれだけ…
そして必ず私の元に私の側に帰って来てくれればそれで良かったんだから…
返事をせず黙ってると…


