嫌なアイツ





本当は嬉しかった…

翔の口から俺達付き合わない?と言われた時は…


付き合ってる間に翔の記憶が戻るかも?って考えた。

でもきっと戻る事はないと思う…



それなら付き合えばいいのに…

悪魔の私が囁く…


でも付き合ったら3年後の約束が無く成っちゃうよ!

天使の声が囁く…



私の中で翔の発した言葉は葛藤する…



私は翔に…

自分の力で私を思い出して欲しかった…

そして抱き締めて欲しい…


『愛莉』

って優しい顔で声で呼んで欲しい…



私は出口の見えない翔と言う名前の迷路に迷い込んでしまった。



急に携帯が鳴り…

驚いた私は携帯を出し翔からの電話だと言うのが解った。


電話に出ると…


『そんなに泣いてたら作業が捗らないよ晩ご飯、買って来たから鍵を開けてくんない?』


私は扉の方へ目を向けると翔がガラスの扉の前で携帯を耳に当て立ってた。


私は携帯を切り扉の方へ歩いて行って鍵を開けた。


『お昼ご飯から何にも食べて無かっただろう?だから晩ご飯も弁当を買って来たから食べよう!』


翔はどこまで私の心の中に入って来るのか?

優しくしないで欲しい…