私は翔の側に居るのが辛いから…
だから…
ここに逃げる様に来た…
と二人に話した。
記憶のない…
私を忘れてしまった翔の側に居るのが辛いから…
耐えられないから…
だからここへ来たと
ここは小さい時、夏休みや冬休みを利用して良く来てた場所だから父に心配ないと伝えて欲しい…
と私は二人に言った
きっと饗庭さんと翼さんは私を連れ戻す決意でここに来たんだと思う…
けど…
私は帰れない…
帰ってしまったら翔に逢う可能性だってある…
ないとは言い切れないから…
私は翔を忘れる為にここへ来たのに…
今、帰ってしまったら…
私は翔の事を…
翔の側で翔の幸せを観なくちゃいけなく成る…
それが辛い…
私自身がちゃんと整理出来て無いから…
自分にけじめを付ける為にここへ来たのに私はまた翔を求めてしまう…
だから…
二人に言うと…
「愛莉ちゃん?愛莉ちゃんは翔とあの丘で日の出を観たんだよね?」
饗庭さんが急に真剣な顔をして私に訊いて来た。
私は頭を縦に頷かせると…
饗庭さんは一瞬、考えたみたいだったけど私に話をした。


