嫌なアイツ






風呂場前にある鏡に自分の姿を映し溜め息を吐いた。

どっから観てもヘンテコな私の格好…



私は外に出てリビングの方に明かりが付いてるので行くと翔がソファ~に座りテレビを観てた。


私に気付いた翔は髪の毛を乾かして無い私にドライヤーを持って来て私を翔の脚の間に挟む様にして乾かし始めた。


私は翔にされるがままの状態で無言でテレビを観てた。


テレビの声なんて一つも私の耳には入って来ない…
頭にも入って来ない



ただ…

私の思考回路が働いてるのは髪を乾かすドライヤーの音と髪を乾かす為に触ってる翔の手だけを認識してるだけだった。



『さっ!愛莉。髪の毛もちゃんと乾いたからお水でも飲んで寝なさい。』


と翔はドライヤーを置き隣りにあったミネラルウォーターを私に渡し寝室に行って寝る様に私に言った。



寝れる訳がない…


私は翔に頭を左右に振った。


『寝れないのか?』


その言葉に私が素直に頷くと…



『解った。じゃ愛莉一緒に寝るよ。』


そう言って翔はテレビを切り私の手を握りリビングの明かりを消し寝室の方へ歩いて行った。