私と海莉は家族ずれの人達を黙って観てた。
父の仕事が普通のサラリーマンだったら私達は今、目の前で観てる様な光景が記憶に残ってたかも?
知れないんだから…
私達二人が家族ずれの微笑ましい姿を観てると…
『愛莉?俺達にもいつか?あんな仲の良い家庭が築けるといいな!』
と翔が言うと。
「海莉?俺達も翔や愛莉ちゃんに負けないくらい幸せな家庭を築こうな!」
と言う饗庭さん。
私と海莉は二人して顔を見合わせその場で真っ赤な顔をすると…
『二人とも今、言った意味、本当に解ってんの?』
と翔の問いに私と海莉は頷くしか無かった。
饗庭さんはそんな私達を観て…
「やっぱり海莉と愛莉ちゃんは双子なんだね。性格は少し違うけど…仕草とかが似てるそっくり…」
そう言って私と海莉を観て笑った。
私達は双子。
似てても仕方がない
母親のお腹の中で二人で手と手を取り合い同じ気持ちを同じ思いを共に共有して来たから…
だからこんなにお互いがお互いを理解し解る。
海莉が私の姉だったらしっかりした姉に成ってたんだろう…
私はいつも思う。
私達は少しして科学館を出た。