嫌なアイツ





「愛莉?何してるのよ?早く来なさい!行くわよ!」

母の声で…



重たい腰をあげ…

大広間に行く廊下を私は母の後ろに付いて下を向いて歩いていた。


母がドアノブを握り扉を開けた…



…………………。



「こんにちは。哀川さん。お会いするのはこの間のパーティー以来ですよね?」

挨拶をする母…



[本日はお招き頂いて有り難うございます。お言葉に甘えて皆で寄せて頂きました。]

と挨拶をしてる哀川翔のお母さん…



「紹介が遅く成りました…。長女の愛莉です。」

母の紹介に…




初めまして…
愛莉と言います。
今日は父の代わりなんで役不足だと思いますがゆっくりして行って下さいね。

と頭を下げ挨拶をした。



……………。


アイツはこちらをずっと観てた…


そりゃ~
脛を蹴られて…

そのまま逃げた私も悪いけど…



[まぁまぁ綺麗なお嬢さんだ事…。あっ!こちらも息子を紹介しますね。]

と言うと…




『長男の翔です。本日はお招き頂き有り難う御座います。』

とアイツは頭を下げ挨拶をした。


母は…


「この間のパーティーでお逢いした方よね?」

と訊いた。