嫌なアイツ





私は嬉しさのあまり両目から溢れんばかりの大粒の涙を流した。


翔も海莉も饗庭さんも私が急に泣き出したから三人は慌てだした。


【愛莉ちゃん?どうしたの?何が一体あったの?】

と訊く海莉…


「愛莉さん?急にどうしたの?なにがあったの?」

と慌てる饗庭さん…



『愛莉?』

名前を呼ぶ翔…



翔は私を胸に抱き締め海莉と饗庭さんに



『愛莉はきっと二人が付き合って欲しいと願ってたんだよ。だから今、二人の気持ちが解ったから愛莉は嬉しくて泣いたんだと思うよ…』


翔が私の気持ちを代弁してくれた。



【愛莉ちゃん?本当なの?】


海莉の言った言葉に私が頷くと…



《良かったぁ~!》



海莉と饗庭さん二人の言葉が重なって私の耳に届いた。


翔は私が泣きやむまでずっと抱き締めてくれてた。

人の目を気にする事なく…


海莉は私にティッシュを何回もくれて饗庭さんはタオルを私に貸してくれた。


私が泣きやむと三人は大きな大きな溜め息を吐いた。



【愛莉ちゃんがこんなに泣くなんて本当にビックリした。】


と言った海莉。