この王子、ブリュアイランドという国から勉学のために日本に来ている。
 趣味の悪いビン底メガネをかけているのは、素性をばれないようにという理由から。
 特殊な加工をされているらしく、あのダサメガネをかけることで、綺麗な青い瞳は、日本人の瞳のように黒く変化する。
 バレたら国へ帰らなければいけないとかで、ひょんなことから、レンの秘密を知ってしまったわたしは、その秘密の片棒を担ぐことになり、なぜか、召使いとして振り回される毎日を送っている。

 そしていま!
 高校生らしい、告白に感動をしていた。
 なんだろうこの感じ。すごく新鮮! 青春ってこうだよね!?

「ありがとう。凄く嬉しい」

 告白された喜びを、葉菜は満喫していた。

「あの、よかったらぼくと付き合ってくれますか?」

 チラッと顔をあげ、目が合うと照れくさいのか、その男子は目をそらした。

「あー……」

 返答に悩んで言葉を探す。
 レンも照れたりすることなるのかな?
 いやいや、ないわ。
 絶対ない。

『喜べ。お前のことを好きになってやる』

 絶対これだよ。
 上から目線でふんぞり返ったままね。
 召使いとしてのわたしですらさんざん引っ張り回されてるんだから、好きになられた相手は大変だね。
 ……レン、好きな子いるのかな?
 べっ別に、関係ないけど!
 召使いだって、認めてないんだから!
 だいたい召使いってなんなの!