「おやすみなさい...」
「おやすみなさい、冬斗
夏希、髪乾かしてから寝なさいよ、」
「やってー!」
髪の毛から滴をたらしながら母親の前に座り、タオルを渡す。
「まだ嫌いなの?」
「………やだー…。」
夏希はドライヤーの音が嫌いで
髪を乾かす時はいつもタオルを使う。
「冬斗…どうしたの?」
さっき「おやすみなさい 」と挨拶した冬斗が何故かまだ出口からこっちを見ていた。
「夏希と上がる」
「そぅ」
妹思いな冬斗に母は嬉しくなり、
「今日いっしょに寝る?」と聞いた。
夏希は相変わらず喜びながら
絵本を読んでほしいと言い、
自分の部屋に絵本を取りに向かった。
それを見て冬斗も夏希について行った。
「どれしょうかなー♪」
「夏希」
兄の声に絵本を選ぶのをやめて
振り向く夏希。
「今日、あのアソビやるから
お母さんたちとは寝れないぞ」
夏希は残念そうな顔をして
絵本を本棚に仕舞った。
「お母さんに言ってくるから、夏希はアソビの準備しとけよ」
「……………はーい。」
夏希がパジャマのボタンを外すのを
見た冬斗は母親のいるリビングに行き、
「夏希には俺が絵本を読むから大丈夫」
と伝えた。
「わかった、がんばってね、お兄ちゃん♪」
頭を撫でて母親は寝室へ行った。
冬斗も走って夏希の部屋に向かった。
そして、アソビが今日も始まった。