「んー、おにーちゃん、なにー、」
「うごくなよ 」
虫たちの鳴き声が家中にまで響いている
夏のある日、
夏希と冬斗は祖父母の家に遊びに来ていた。
「キャーひろーい!」
ひまわり畑に喜びはしゃぐ夏希を遠くからジュースを片手に見守る冬斗は、
なんでこんなに暑いのに外に出ないといけないんだ、と思っていた。
「ちょうちょがいるー!」
空を見上げると雲ひとつない晴天
まるでヒマワリは夏希の歌に合わせて
風に揺れているようだった。
「んな、遠くまで行くなよー」
「みてみてー!
おにーちゃーん、ハチがいるよー!!」
なんて騒いでいたのは昨日の話。
昼起きてダラダラゴロゴロ
食べて寝て、ゲームして
あぁ、なんて惰眠を貪る2人。
祖父母はそれでも可愛いふたりの
めんどうをみていた。