アリスカは表情を引き締めた。

「では本日正午より、KGBの護衛任務の応援に当たってもらいます」

KGB。

国家保安委員会。

ロシアの諜報機関・秘密警察。

現実世界では1954年からソ連崩壊まで存在したが、この世界ではまだ健在。

複数の部署に分かれており、各総局、課ごと担当する任務に違いがあるが、主な部署に第1総局の対外諜報、第2総局の国内保安及び防諜がある。

今回霸龍闘やリィが応援に向かうのは、政府や共産党の要人警護を行う第9局だ。

「護衛するのは政府の大物議員よ。国外へのロシア製武器流出を阻止する為の法案を可決させた事で、テロリスト達の標的になる恐れがあるわ。その為にKGB第9局が護衛についているの」

「どこの世界も…和平に反発する輩はいる…」

表情を曇らせるリィ。

「そいつらをぶっちめるのが、俺達の役目だ」

呟く霸龍闘に。

「毎回言ってるけど」

アリスカは霸龍闘をジロリと見た。

「護衛任務は『未然に防ぐだけ』よ。護衛が優先。その事を忘れないで、エージェント霸龍闘」