「インフィニティ・セクターのエージェントを、子守りか何かと勘違いしてんだよ、あのオッサン」

デッキチェアに座り、膝丈の水着、上半身にパーカーを羽織った霸龍闘が、ぢゅるるるとマンゴージュースをストローで飲み干す。

パーカーの下には素肌に直接ホルスターを付け、マテバを持ち歩いている。

革のホルスターが汗で肌に張り付いて気持ち悪い。

「オッサンなんて言わないの…ロシア議会の議員だよ…」

そう言うリィも、パレオの下にはホルスターを付け、ヴィオラとクローリスを持ち歩いていた。

いつものダークのスーツ姿でビーチにいるのは他の観光客を威圧するし、何より暑苦しい。

周囲に配慮しつつ護衛を務めなければならない。

こういう場所は非常に困る。