……満員電車
ツライ!!
思ってた以上にツライ!!
何!?このギュウギュウ詰め!
私は魚肉ソーセージじゃないんだよ!
……ボケてツッこんで、
何してんだ自分……
「あ……」
ヤバイものを見つけてしまった。
痴漢現場に遭遇……
何、どうしたら良いの私?
痴漢されてる子涙目になってるよ……
制服から見て同じ高校だな、たぶん。
行くのか私、そもそも行けるのか私
えぇい!行ってしまえ!
「あの!痴漢してましたよね?私見てましたから。次の駅で降りてください」
男の手首を握りながら言った。
周りもザワザワこちらに注目する。
ちょっと、今の私、男子よりカッコよかったんじゃない?
「ちっ!はなせクソっ!」
「あ!待て!卑怯もの!」
追いかけようと思ったけど、そいつはよそ以上に早く、満員電車のなかをすり抜けていった。
「あっ!……ごめん、犯人逃がしちゃって」
痴漢されてた子に謝る。
「いっいえっ……助けて頂いてありがとうございましたっ」
あらためて、その子を見ると痴漢された意味がよくわかった。
小さめな身長に、くりくりした黒い瞳、髪はふわふわでブラウンに染めてるのかな?スカートを短すぎないくらいに折り。
とにかく、可愛いオシャレさんだ。
これは痴漢されるわ。
「ううん、これからは気をつけてね」
「はっはい!本当にありがとうございました!」
そんなことを言ってるうちに次の駅についてまた、人が流れ込んできた。
自然に助けた子からも離れる形になった。
最後にちらりと彼女方をみると、その子の知り合いであろう男子二人が楽しそうに喋りかけていた。
一人は好青年、もう一人は……不良だ。
その子も楽しそうに喋っていたので
もう安心だと思い、私も自らその場を離れた。
