「これ、瑪瑙(メノウ)って言うんだ。」
俺は女の子に向かって言った。
「すごく、綺麗な青ですね……。」
女の子がキラキラした目で言う。さっきのちょっとキツめな美人の印象から子供みたいそう言うからちょっと笑ってしまった。
「何か変なこといいました?」
女の子がちょっと見上げてくる。背が高い。俺より十数センチ小さいくらいだろうか。165ぐらいはある。
「いや、別に……。あと敬語じゃなくていいから。同じ学年だよ」
「えっ、やっぱり同じ学校……。よろしくね。転校生の、相川 凛です」
やっぱり転校生か……。
俺の学校にこんなに美人なやついないからモテそうだな、なんてぼんやり思った
「じゃ、また学校で」
俺はメノウをブレザーのポケットにしまって手をひらっと振った
「あ、あの!名前は……」
女の子がいそいで聞いてきた
「和(やまと)だよ」
俺は少し振り返って言って、歩き始めた。
あいかわ りん…………
何か妙なものを感じる子だった。なんだろう。哀しみ?わからないな…
俺はそのとき、それがすぐわかるなんて思ってもみなかった