「終わったァァァ」
「…わ!」
真希が飛びついてくる
夏休み2日前。私たちの夏休みの補修をかけたテストがたった今終わった
明日、補修対象者が貼り出される。真希は不安な様子は何一つ見せず夏休みを楽しみにしていた
わたしは……
「はっくしゅん‼️ …げほっ、ごほっ」
見事にひどい風邪をひいた。季節の変わり目に相変わらず弱いわたしである
「……まぎ、私風邪ひいでるから、ぢかよらないほうが……げほっ、いいよ」
ノドが痛くて大きな声も出ないし、おまけにテスト終わったとたんに開放感からか、どっとだるくなってきた
あーぁ、せっかくの夏休み前なのに最悪!
「凛……相当ひどいね?大丈夫?朝はそこまでじゃなかったのに」
わたしのカスれた小さな声にさすがにギョッとして、真希は離れた。
「今日は部活…げほ…やふみます。」
その方がいいよ、と真希もうなづいた
「なに?風邪か?」
和が圭介くんと近寄ってきた
しゃべれないわたしの代わりに真希がそーみたい、と言った
「気をつけろよ?」
和が心配そうにわたしの顔を覗き込む。目がぴったりと合う
心臓がどきっと鳴った
……やばい、熱上がりそう
わたしは目をそらすようにうなづいた