それからわたしは、迷わず部活を男子バスケ部のマネージャーに決めた。真希は大喜びだった。



三年生はインターハイが終わり卒部していった。わたしは新しい生活に慣れて、女子マネの仕事にも慣れてきた。相変わらず、真希以外のひととは最低限の関わりだったけど、真希に少しずつ信頼を寄せている自分は確かにいた



西島くんとは、あの日の放課後以来ほとんどしゃべっていない。バスケ部と教室で毎日見かけるだけ


それでも、わたしは忘れていなかった。あの朝の出会い……あれから、3ヶ月になろうとしていた




「えぇっ!真希と圭介くんって付き合ってるの⁉︎」


しーっ、声が大きいよって真希がわたしをあわてて恥ずかしそうにしかった。


「はぁー……なるほどねぇ」



わたしは卵焼きを食べながらため息をついた。真希とは、毎日一緒に中庭でお昼を食べる仲となっていた。


圭介くんはバスケ部の新部長になった。西島くんと仲がいい、リーダー性のある好青年だ。確か西島くんとならんでもすごく背が高かったような……



「ふーん、お似合いかも……いつからなの?」


「昨日。」


真希の即答にわたしは飲んでいたイチゴミルクをつまらせかけた。真希が大笑いする


「あははは、昨日練習の後2人でボール磨いてたらさ〜真希、俺と付き合ってよって……」


きゃぁ、と真希が両手をほっぺにあてる


「あー、もう凛が昨日早く帰ってくれてよかったぁ!ありがと、凛」



はいはい、とわたしは半ばあきれ顔で言った。


「ねぇ、凛は好きな人いないの?」


ごふっ。次はちゃんとイチゴミルクをつまらせてしまったわたしは、ゴホゴホ咳こんだ。


「い、いるの⁉︎」


真希がびっくりして聞いてきた