「学校、最近どう?大丈夫?」
朝、学校に行こうとしたら、お母さんが聞いてきた。…香穂の自殺で傷ついたわたしをお母さんは気遣ってくれる
「うん!大丈夫だよ…心配しないで」
わたしは笑顔でこたえて、いってきますってドアを開けた
嘘つき……大丈夫なんかじゃないくせに
転入してきて一週間。今日は仮入部が最終日だった。そう、来週から部活に入らなくちゃいけない。今までなんとなく見学をしてきたけど……
どうしよう……
わたしは自転車に乗って、海沿いを勢いよく走り出した。
香穂の折れたラケット…わたしの罪の記憶。わたしは、香穂の折れたラケットを香穂の両親に頼んでゆずってもらった。
香穂のお母さんとお父さんは決してわたしをせめなかった。そのことは、わたしをより苦しめた
部活に入れば、必ず人付き合いが必要になる。わたしはそれが怖い
気持ちのいい、春の朝日に照らされてる海。
穏やかな海とは裏腹にわたしの気持ちは沈んでいた