「何か……用ですか?」



わたしはテニス部の部室の裏で先輩たちに聞いた。香穂は委員会で、来れないからすごく怖かった。すぐにいく、とは言ってくれたけど……



「…相川、今までごめんっ!」



いきなり先輩たちはわたしに謝ってきた。わたしは本当にびっくりして、固まった。


「ずっと謝ろうと思ってたんだ、わたしたち。本当に悪いことをしたって思ってる…」



わたしは、涙が出てきていることに気がついた。

「先輩……」

今まで本当につらかった。



香穂…………早く香穂にも知らせたいよ…
わたしたち、解放されるんだよって……


「でね、相川。井沢なんだけど……」


「凛っ‼︎」

先輩が何かを言いかけたとき、香穂が走ってきた。泣いているわたしをみて、先輩たちにひどいことをされたと思ったのか、わたしをかばうようにして、先輩を睨みつけた。


「香穂、違うの!……先輩たちは……」


「相川」

わたしが香穂に説明しようとしたとき、先輩がわたしを呼んだ

「はい……」

先輩は薄く笑っていった。その手には……


「わたしのラケット!」

香穂が叫ぶ



「今すぐ、井沢の腕をこれでつぶしなさい」