わたしは海に足の先だけすこしつけた。そしてすぐ足をぬいた
……つめたっ!…水はかなりつめたい。
そうだ、なんかあったかいから海に入りたくなっちゃったけどまだ4月じゃん…
新しい制服は水色のセーラーに黄色のリボン。スカートは紺のチェック。前の学校よりも全然かわいくてすごく嬉しい
砂で汚れちゃうとこまるか……まだ新しいもんね。
わたしは家にもどろうと、海に背を向けた。
そのときだった。チカッと防波ブロックのあたりから何かが反射した
「………?」
わたしは不思議に思って何かが光ったあたりにむかって歩き出した。
あの朝…あの海にもしわたしがいなかったら、わたしたちはどうなっていたのだろう。
わたしは間違いなくあの朝に、大きな運命の曲がり角をまがってしまったんだ……。