「そんなことより、ポルナレフ。ジョースターさん達はどこに?」
しばらく返事を待っていたが、一向に帰ってこない。
(…。ちょっと、いじめすぎたか?)
「おい、ポルナ………。」
驚いた。ずっと返事をしないのは、スネてしまったからだと思っていたが、顔を赤く火照らせたまま眠っていたのだった。
「…。風邪でも引いたのか?ポルナレフ。」
尋常でないほど真っ赤になっている顔と、苦しそうな吐息。そして…。
「ウゥーン…。アヴドゥル…。に、逃げて…。嫌だよ…。行かないで…。」
と、寝言を言っている。
仕方が無いか、とポルナレフを抱き上げ、ベットへキチンと眠らせた。そして薬箱から風邪薬と冷えピタを取り出した。
「おい、ポルナレフ。起きて薬を飲め。」
少し揺さぶると、突然アヴドゥルを抱きしめて言った。
「行くなって言ったのに!もう私のことなんて放っとけって言ったのに!バカァ!」
と、夢の続きを言っているようだ。
私は背中をポンポン、と撫でてあげて、
「もう何処にも行かないからな。安心しろ。」
と呟いたのだった。