俺は、来るときに歩いて来た道を引き返すように歩いてく。
体育館を抜けると、すぐそばに公園がある。
子供たちが、ボール遊びに、なわとびに、様々な遊びに励んでいるのを、少し足を止めて遠くから見物する。
いつもなら近くのベンチに座って静かに微笑んでいる、そんな光景すら今日は魅力を感じず、少し笑って竹刀を持ち直し、足を動かす。
結構な距離ある道をただひたすら、静かに歩いてく。


ずーっと、ずーーっと。


公園を抜け、住宅街に入る。
泣きわめく赤ちゃんの声、そんな赤ちゃんをなだめる母親の声。
飛行機のおもちゃで遊んでいるらしい子供の声、片付けをせかす父親の声。
そんな声さえも、今はただのBGMにしか聞こえない。
いつもはくすりと笑う音たちでさえも聞こえぬ振りして、ただひたすらに、進んでゆく。


ずっとずっと、歩いてく。


目の前に、大きな石造りの鳥居が現れ、その下をくぐり、磨かれた石で造られた階段の参道を通ると、古くて大きい、神社がみえた。