天照「どうじゃ、気にいったか?必要があればどちらかの刀とそなたの荷物を、居候することになる新選組のそなたの部屋に送っておくが、どうする?」

亜耶加「……こっちの、重い二つを持っていく。私が暮らすことになる時代に、一刻も早く慣れたいから。」

天照「なんじゃ、意外よのう。わかった、こちらへもて。送っておこう。」

軽いほうを天照に手渡し、手にずっしりと2つの刀の重みが伝わる。
私は、これから生きる過去への思いを馳せながら、教わったように刀を腰に下げた。

朔耶「じゃあ、そろそろ行くか。亜耶加、準備はよいか?」

亜耶加「うん。いつでもいいよ。」

朝霞「亜耶加様、どうかご無事で……!私からの手向けで、あなたの治癒力を高く致しますね……。」

体に、緑色に鎖が絡み、吸収されていく。

朝霞「これで、少しの傷はすぐに治ります。ですが、無茶をなさらないで……っ。お願いだから……っ。」

朝霞が、私を抱きしめてすすり泣く。あなたにとって、私は少しでも大切になれたかしら?

亜耶加「そんなに泣かないで。あなたたちは、いつでも私に会いに来れるでしょ?また会いに来てよ、じゃないと友達のいない世界で一人なんて、悲しすぎるわ。」

朝霞「はい……っ。もちろんです、必ず会いに来ますから……っ!お邪魔だって言われても、わらわが行きたいって朔耶様に言われても……っ!必ず、会いに行きますから……っ!」

亜耶加「朝霞、そんなにうちの事好きなの?w会って、そんなに時間たってないじゃない。」

朝霞「それでも……!もう亜耶加様は亜耶加様は……私の、大切な人です……っ!」

意外だった。あんなに冷静だった朝霞が、こんなに取り乱すなんて。でも、うれしい。

亜耶加「ありがとう。じゃあ、またね。」

朝霞「はい……っでは、また……っ!」

天照から発された光に吸い込まれる。
朝霞は、泣きながら笑顔で手を振ってくれた。
朔耶は、笑いながら手を振ってくれた。
天照は、手を止めずに微笑んでくれた。

私は……
手を振りながら、意識が遠のいた。