天照「そうじゃ。亜耶加、わらわたちがそなたに頼みたいことは、わかっておろうか?」

亜耶加「新選組の歴史を変えること、ですよね。」

天照「ご名答。わらわたちが今から飛ばすのは、ちょうど池田屋事件が始まる直前じゃ。池田屋に飛ばすが、おぬしはまだ新選組に居候することになっているだけであって、入隊することは決まっておらん。この池田屋事件をきっかけに入隊をこぎつけれ来るといい。」

亜耶加「私が……!?でも、私は刀を扱えないし持ってないし、第一剣道しかできないから……!」

天照「心配するでない。そなたほどの技なら、池田屋事件くらいは乗り切れるであろう。もし不安なら、土方歳三や沖田総司にでも剣術の指南を頼むがいい。刀は竹刀と重さが変わらぬだけだ、案ずることはない。刀はこれをそなたに贈ろう。朔耶、あれをここへ。」

朔耶「はいはい……まったく、母様は人使いが荒いのが玉に瑕じゃな。」

池田や事件くらい!?それに刀と竹刀はだいぶ違うし!
そのほかにもいろいろ突っ込みたいところはあったけど、朔耶が持ってくる私のものになる日本刀をおとなしく待つことにした。
しばらくして、どこからか現れた朔耶が持っていたのは、2本ずつの太刀と脇差だった。

天照「これは、わらわたちがそなたに贈る刀たち。瑠璃守兼良(るりのかみかねよし)と華浪竜王(かなみりゅうおう)は、日本刀にしてはとても軽いが、深く切り込めないからいったばっかりの頃がよかろう。で、こっちが普通の日本刀と変わらないくらいの重さで、慣れてきたころ合いに使うのがよかろう。緋榛丸天照(あけはるのまるあまてらす)と闇屯月詠(やみむらつくよみ)じゃ。覚えておくがよい。」

どこまでも軽い刀。竹刀のような軽さを感じ、扱いやすそうだ、という印象を受けた。
比べて、緋榛丸天照と闇屯月詠は身に染みるほどの重みで、重そうだけど、私にあっている……。そんな、気がした。