亜耶加「新選組の、運命を……?でも、なぜ……?」

朝霞「先月、すべての神、つまり小さな社の神でさえ呼ばれた、全神緊急会議があったのです。そこで話し合われた内容は、歪められた歴史のせいで今後、日本のみならず、世界にも影響が出てくる。原因は、新選組にあるということ……。」

亜耶加「え……どうして?歴史は歴史……変えられないんじゃ……?」

朝霞「ある程度の神にはできるのです。たとえばあなた様が信仰している神、建御雷尊や、我らが神、木花朔夜姫尊、月の神月詠、そして、太陽の神、天照大神。末端の神々が力を合わせて神力を出し合い、過去への扉を開くことはできます。しかし、それは自分の死を覚悟して行うこと。あまりやろうという神はいないのです。」

亜耶加「なのに、朔耶は自分の命も顧みず、力を使って私を……?」

朝霞「はい。過去に行くことは、どの神でも大した力を使わずに容易にできます。しかし、干渉することはできないのです。話しかけたり、関わることができるのは、神や妖怪、幽霊などが見えるものと、神力で過去に来た者のみ。ですから、私たちの頼みの綱は、あなたしかいないのです。ご理解ください。」

亜耶加「……わかった。未来に戻った時、時間は進んでいるの?」

朝霞「ご要望ならば、時間は元の状態で止めおきますが。」

亜耶加「……そうして、おいて。」

朝霞「かしこまりました。では、こちらへどうぞ。」





朝霞に案内されて、私は真っ白な空間を、進んでいった。