───────森のなか




木の影から、あの双子が見えた。

楽しそうに笑ってる。


人の目を気にしなくなった彼らは。

もう無理して笑わない。


代わりにあるのは本心からの、

素敵な笑顔。




お面を外せなくなった僕では。

決して作れない。


………本当の笑顔。




「まさか、外せちゃうなんてね」




誰かが外すことができたら。

自分も外せる気がしてた。


誰かがアレを外せることを願ってた。

でも、誰も外せなければいいと思ってた。