その日は全然喋れなかった
だけど、私はあの透きとおった目、どこか辛そうな顔が忘れられなかった
その次の日から時間をつくれれば中庭に行くようになった
だけど次の日もまた次の日も彼はこなかった
そして彼に会えたのはあの日から一週間後
その間、私は思ってた
多分彼もどこか悪い
しかも私よりもずっと。
会えたとき素直に嬉しかった
彼とはたわいもないはなしなんかをしている
そして彼について分かったことがある
彼は高校二年生、私と同じだった。
そして、重度の心臓病をかかえている
わたしの予感はあたってしまった

