「…アイスホッケー、初めて観に来ました。」


リンクの中では選手らしき人達が
監督みたいな人の前で最終ミーティングをしていた。


興味のないスポーツ観戦に、
今日初めて会った人と二人で来ている。


あの日々の記憶が心の底から
じわじわと浮き上がってきそうだ。


気持ちが落ち着かずざわめくのを感じた。


「…アイスホッケー、やってたんです。
学生の時に。」


「…へぇ、意外です。」


「そうですか?」


「ええ、イメージ的にもっと、ガタイのいい感じの人がやるイメージだったので…」


「そんなことないですよ。
アイスホッケーは意外と力業じゃなくて
戦略型チームプレーですからね、
いかに敵を翻弄させて…あ、すみません。」


そう言うと急に照れたように
下を向いて頭を掻くような仕草をした。


「…下関さん?」


顔を上げた下関さんは気まずそうに笑うと

「アイスホッケーの話になるとつい、
夢中になっちゃってベラベラと…
興味なければつまらないだけですよね…」


急にしょんぼりと大人しくなった下関さんが
なんだか可愛らしく見えて笑ってしまった。


「いえ、おかげでちょっと興味がでてきました。」


そんな私の言葉を聞いて
やっと顔をあげた下関さんは
安心したように笑った。