「ありがとう…」

「じゃあ、ちょっとお礼に付き合ってよ」

…ホストの勧誘でも嫌だけど
このチャラさはどう転んでもいい予感なんてひとつもしない…

「…お断りしましす、
て言うか、いつまで抱きついてるつもり!?」


さっき助けてもらった時に抱きしめられたまま目の前の男は一向に離れる様子を見せなかった。


「…だって想像通り、抱き心地がいーんだもん♪」


早く離れなきゃ、本当に何しだすかわからない…

焦りながらジタバタしてたら
チャラ男は手早く抱きしめてた手を
私の手に持ち変えた。


…しまった!と思ったときには既に遅く
チャラ男は私の手をぐいぐいと引っ張り
どこかへ一直線に向かい始めた。