雅春さんも何も言わず
私の背中に静かに腕を回した。


川の水が流れる音だけが響く。


暗闇と静寂の中を、ただ水音だけが支配する。


どれくらいそうしていたんだろうか。


あと少し、あと少しだけこうしていることで
雅春さんの心を少しでも温めることができたら、

明日からまた少しだけ平気なフリができる。


もう大丈夫、と傷が癒えるまで
頑張ることができるから。



それは、自分が自分自身に言い聞かせるような想いだった。