今の雅春さんは、私だった。 相手をどうしようもないくらい好きで、 でも一緒には幸せになれず離れるしかなかった。 気持ちだけがそこに取り残されて その場所で身動きもとれず途方にくれている。 私は雅春さんの背中に優しく腕を回した。 壊れないように、優しく。 抱きしめることで自分も慰められる。 そんな時がある。 それにどんなに救われるか、 それがどんなに温かいか、 それは他人であればあるほど許せる事かを、 私は痛いほど知っていた。