「でね、会員制なのはシークレット。
新会員は会員の紹介がないと入会できないし、ちゃんと入会審査もするんだ。」
「ふーん。」
たいして興味なくそう言った。
ここがどういうところであろうと
私には関係なかった。
社員証も返してもらったし、
今日一日人手不足の手伝いをさせられただけだったから。
明日になればもうこの男と会うこともないし。
「普段は一般のお客さんも入れるよ♪」
「…?じゃあ会員制の意味なくない…?」
「そう!!正解!!」
チャラ男は楽しそうにそう言った。
…意味不明なんですけど。
「カフェは仮の姿!
会員制の目的は楽しい時間を提供するレンタル彼女屋さん♪」
「……はぁ?!」
あまりに突拍子もないことを言われてびっくりした。
…それって違法とか、なんか危なくないの…?
一気に危険な香りがこの男からしてきて嫌な予感がした。
「…そう、頑張ってね、…じゃあ私はそろそろ…」
一刻も早くこの男から遠ざかりたかった。
変なことに巻き込まれないように。
「待ってよ!せめて最後まで話を聞いてよ!!
俺の夢の話くらい聞いてくれてもいいだろ?!
これもなんかの縁だし!一緒にブルームーン見た仲じゃん!!」
私が立ち上がろうとするのを見て
あわててチャラ男は言葉をまくしたてた。
「せっかくのケーキだって…まだ半分も食べてくれてない…」
いきなりシュンとした捨てられた子犬のような態度をとられ
ちゃっとかわいそうな気になってしまった。
…まぁ、話を聞くくらいなら…。
そう思い、立ち上がるのをやめ、また椅子に座りなおした。
それをみたチャラ男はほっとしたように笑顔になり、
食べて食べて、とケーキを薦めてきた。
なんだか調子が狂うなぁ。

