「ご職ぎょーは?」


「…何よいきなり…」


「年齢はー?」


「何なのよ、唐突に、」


「学生の時やってたアルバイトはー?」


「何その質問…」


「好きな人のタイプはー?」


「…ちょっ…っいい加減に…」





「………。

もぉーー!
1問も答えてないぃー!!や・り・直・し!

ご職業はー?」



……何なのよぉ。




「職業ー!」


「…フツーの事務よ。」


「よしよし、その調子♪

次、年齢はー?」


「32」


「学生の時やってたアルバイトはー?」


「中学生の塾の講師…?」


「好きな人のタイプはー?」


「えー…優しい人?」


「今日泣きそうな顔してたのはなんで?」


「……は?……っなに言っ……」


「違った?死にそうな顔してたのは?」


「ばっ……、バッカじゃないの?!

悲しくも辛くもないのに、そんな顔なんてしてないから!」


「…ふーん、

悲しくて辛いことがあったんだね」


「…ッ!だから違うって言ってるでしょ!!」


明らかに不意打ちの図星。

チャラくて適当かと思ってたのに
意外と違うのかもしれない…


「…もう、帰るから、」


「…そっか、

……じゃあ最後に。」


…今度は何よ?

そう思い、少し面倒な気持ちで彼を見ると

何かのゲームを楽んでいる子供ような笑顔で
ニヤリと笑い顔の前に手のひらサイズの小さなカードを掲げた。


「………あーーっ!!?

……なんで?!いつ?!!」


チラチラと顔の前で掲げてたそのカードは、
間違いなく私の社員証だった。


あれがないと会社にも入れないし、
紛失がわかっただけ始末書も書かなくてはいけないものだった…


「ちょっと!!返してよ!!」


そう言った時には彼はフロアから半分外に出たテラスに差し掛かっていた。


「合格♪
明日10時この場所でねー♪」


そう言うと私の社員証とともに
いつの間にか、来た道の暗闇の中に消えていってしまった。


……何よ合格って!

意味わかんないし、

明日ここに来なきゃ私の社員証…


なんだかどっと疲れてそのまま真っ直ぐ家に帰った。


悲しさすらも、どっかにいってた。


変な1日だったな…。