言われて初めて気づいた。

寒さからなのか、私の手が、
確かに震えているのがわかった。


私は素早く下関さんの手を払い
顔を背けた。

「ごめんなさい…ちょっと、
寒かったのかもしれません。」


下関さんはちょっと困ったように笑いながら言った。


「初めて会った、よくわからない男に
触られるのは嫌だよね。」


「…そんなことっ!…」


「ない?」


彼は静かにそう言ったはずなのに
頭に響くような声にハッとして彼の目を見てしまった。


あの真っ直ぐに見据える眼が私を捕らえた。