マンションのエントランスに入ると
下関さんはエントランスキーを開けて中に入った。

ドアの向こうはエレベーターホールになっていて、
小さな二人がけソファが壁際に一つあった。


「…私、ここで待ってるので…」


そう言うと、下関さんは私の手をとり引寄せた。


「…ちょっ、なんですか?!」


彼は動じるでもなく、ただ私の手を見つめて、呟くように言った。


「震えてる。」