優しい彼には家庭があり、
壊してはいけないと別れを告げ、

好きになってしまった彼には彼女がいて、
壊してはいけないと身をひいた。


それはただ、逃げただけかもしれない。


それでも、逃げない未来に希望も抱けなかった。


下関さんは車を動かすと、
色々な食事の好みを聞いてくれたけど
そのほとんどを上の空で聞いていた気がする。


下関さんの地元のいきつけの店に行くことになり、
一旦家に車を停めに行くことになった。


駐車場に車を停めると、
どんよりとした空からぽつぽつと
雨粒が降り落ちてきた。