「わぁっ!風歌ちゃん上手~!」

「そう、かな?」


いつの間にか自分の周りに女子が集まっていた。


「いいなぁー!今度教えてよ!」

「卵が上手く巻けないんだよねー」

「風歌ちゃんのオムレツふわふわ!」


みんなに褒められて、少し恥ずかしい。


「ねぇ、風歌ちゃんのオムレツ、一口貰ってもいい?」

「うん、いいよ~」


出来上がったオムレツを一口食べた可奈ちゃんは、「おいしー!」と喜んでくれた。


「琳ちゃーん、どう?出来たー?って、ぐちゃぐちゃじゃん!」

「ほんとだ!琳ちゃん、料理苦手なのー?」

「あはは、実はすっごく下手なんだよねー」


琳ちゃんさんはそう言って笑う。

今、どう思ってるのかな。
そう思うけど心の声を聞くことは、どうやら自分じゃ操作出来ないみたい。

琳ちゃんさんは、ずっと笑って自分のオムレツをみんなに見せていた。