私の名前は優陽(ゆうひ)。
可愛いとは言われるけど、そんな事は無いと思う。
至って平凡な顔。
背は167センチ。
私はこの身長を気に入っている。
ハイヒールを履くとたまに男の子を抜かすこともある。
だけどこの身長だけは私の長所だと思っている。
髪はロングヘア。
女の子らしい髪型が好きだ。
高校生の頃に珍しくショートヘアにしてみたら、母に「坊ちゃんみたいだ」と言われた。
母なりに可愛いと褒めたつもりなのだろうけど、私は全く嬉しくない。
それがトラウマになり、それ以来短く切ることは無くロングヘアを保っている。
意外とロングヘアは男の子達に好評だった。
どこを気に入ってくれるのか分からないが、男の子達は私を可愛いと言い集まってきた。

結婚してもあまり変わらないものだな。
そう思いながら、私は色々な男の子達と遊んでいた。

そんな中でも茂と洋紀は正式に“お付き合い”しているという関係にあった。
茂は好きな人がいると言われ、未だに動揺と悲しみを隠せないでいるようだった。
「優ちゃん、俺と別れようと思ってるの?」
私は狼狽えた。
特にどうしようか決めずに告げてしまったからである。
付き合い続けてもいいし、別れてもいい。
ただ、本命の好きな人が出来たと言いたかっただけなのである。

好きになった人は7つ年下の智希(ともき)。
出会いは某SNS。
骨折での入院中に知り合った人だった。
私は今年で30歳。
早生まれだからまだギリギリ20代だが、どちらにしても今年23歳になった智希とは7つの年の差があった。
女性が年上だとやはり初めは気にしてしまう。
2、3歳違いならまだしも、7歳となると大きい。
智希は今年大学を卒業して就職したばかりだった。
車関係の仕事で開発や設計などをしているらしい。