「このスペースで子供たちを遊ばせている間、親たちは気軽にお茶をすることができると言う訳です」

そう言った朝貴に、
「よく考えたな」

藤本は言った。

朝貴は照れくさそうに笑った。

「そう言えばだけど、結婚式はいつになった?

静絵さんも今月の終わりに大学を卒業するんだろ?」

藤本は朝貴に聞いた。

「そのことなんですけど、今夕貴と話しあっているところなんです」

そう答えた朝貴に、
「それはどう言うことだ?」

藤本は首を傾げた。

朝貴ははにかんだように笑うと、
「せっかくだから、同時に結婚式を挙げたいなと思いまして…」
と、言った。

「おいおい、双子だからって言う理由でそこまでする必要はねーだろ」

呆れたと言うように言い返した藤本に、
「双子だからやりたいんですよ」

朝貴は言い返した。