取引先からの電話と言うのはウソである。

スイートルームへと足を踏み入れると、
「やれやれ、いつまで続くことだったのやら」

そう呟いた後、櫻子はキングサイズのベッドへダイブした。

「半年って結構長いなあ。

始めてから、ようやく2ヶ月経ったって言うところだよね…」

櫻子はやれやれと息を吐いた後、指でカレンダーのアプリをタップした。

「これが後4ヶ月も続くのか…。

あの時、とっとと逃げりゃよかった」

そうしたら、こんな厄介事に巻き込まれなくて済んだと言うのに…。

スマートフォンを枕元に置いて充電をさせると、櫻子はバスルームへと足を向かわせた。