Is you is or is you ain't my baby?

北大路の口から何が語られるのだろうかと、期待していた。

今年こそ、彼は何がやりたいと言うのだろうか?

北大路の唇が開いて、
「――素敵な恋、ですよ」

音を発した。

(はっ?)

聞かなきゃよかったと櫻子は後悔をした。

(この人、頭がおかしいのかしら?)

そう思っている櫻子とは反対に、彼らは北大路の話に興味を持っているようだった。

「僕、35なんですよ。

周りには結婚しているヤツはもちろん、中には子供もいるって言うヤツもいて…彼らからそんな話を聞かされると、僕もそろそろ結婚しないといけないな…と」

北大路はやれやれと言うように、息を吐いた。