Is you is or is you ain't my baby?

伊地知の提案に参加したのは、夕貴のことを忘れたいからと言うことだった。

彼女以外の女性と半年間一緒に過ごせば、いつしか忘れるかも知れない――そんな気持ちから、藤本は伊地知が出した提案に参加することを決意したのだった。

しかし、
「何でこねーんだろ?」

2日も経っていると言うのに、櫻子からのメールはおろか電話すらもない。

「仕事でもしてんのかな?」

スマートフォンで時間の確認をすると、11時を過ぎたところだった。

「そう言えば、アッキーは何をしてるって言ってたっけか?」

会社の専務は英恵、デザイナーは京極、小説家は小梅、医者は北大路――だったと思うが、櫻子の職業を覚えていないことに気づいた。

と言うよりも、
「自己紹介の時、言わなかったな…」

自分の名前と年齢を言っただけで、職業は口に出さなかった。