短い週末が終わり、英恵はいつものように支度を済ませるとリビングへと足を向かわせた。

「おはよう」

それまで新聞を読んでいた父親が声をかけてきたので、
「おはようございます」

英恵はあいさつをすると、椅子に腰を下ろした。

「蘇芳は?」

食卓に蘇芳がいないことに気づいて声をかけたら、
「生徒会の仕事があるからって、とっくに出て行ったよ」

国光が答えた。

蘇芳は生徒会で書記を担当しているのだ。

「へえ、生徒会も大変ね」

「だね」

国光とおしゃべりをしながら、焼きたてのトーストにブルーベリージャムを塗っていた時だった。

「次のニュースです」

それまでつけっぱなしにしていたテレビがニュースを告げた。